ゆるゆ会

詩、小説。もそもそと書きます。

1日目

先ほど妻より貰ったコップが汗をかいている。

湿気を含んだ部屋の温度は夜といえど、30度近い。

私自身もコップに負けず劣らず汗をかいており、今頃になって無性に汗が気になり始めた。

妻がコップと一緒に持ってきたタオルで顔をぬぐい、少しぬるくなった麦茶を飲み干す。

ふと、机の上に貼り付けたカレンダーに目を向ける。

先月までぎっしり詰まっていた予定はどこへ行ったのか、

代わりに昨日までバツ印が刻まれていた。

私は苦笑した。

カレンダーは、とある事情で今月より友人のものを拝借することになったのだが、

彼と私とでは予定の扱い方に差があるようだ。

 

苦笑しながら、腰掛けていた椅子を回転させる。

1箇所で風を受け続けるのは身体に悪いのよ、と妻が言いながら去っていた後に、

ぐるんぐるんと首を回すようになった扇風機が笑っているように見えた。